校長あいさつ
greeting
校長:上田 悦子-
~Well-beingのために何をすべきか考え実行する~
鹿児島工業高等専門学校は、昭和38年の創立以来15歳の中学卒業生を受け入れる5年一貫教育を基本としながら、時代の変化と社会の期待に応え、大学編入、専攻科の設置などの組織制度を整備することで、多様なキャリアパスをもつ高等教育機関へと発展してきました。今年は創立60周年という一つの節目を迎えます。
現在我々は、感染症パンデミック、少子高齢化、貧困を含む様々な社会的格差、領土をめぐる国同士の争いなど、数多くの課題に直面しています。これらの課題に対して、どこかの誰かがなんとかしてくれるだろうと考えずに一人一人が向き合い、自分ができることを考え行動することが求められています。さらに、現代社会はますます多様化し、様々な背景を持つ人々によって成り立っています。自分自身が大切な存在であることを認識した上で、それぞれの多様性を尊重して受け入れ、理解し協力することも重要になっています。このような時代の変化にしなやかに対応し、新たな価値の創造を実現する教育が我々に問われています。本校ではこれらに対して、Well-being志向教育の取り組みを実践しています。Well-beingとは身体的・精神的・社会的に満たされた良い状態を表しており、本校での日々が学生自身のWell-beingにつながり、本校のWell-beingな学生が社会全体のWell-being形成の担い手となることを目指しています。
本校の教育の目的は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することです。この目的の中にある「学芸」とは、「学術」と「その応用技術」を意味しています。また、「職業に必要な能力」とは、単に特定分野の職業に必要な専門的、技術的能力のみならず、一般職業人として、また、社会人として必要な知的、道徳的能力も含まれています。そのため本校では、科学技術の知識修得だけでなく、リベラルアーツ教育も重視し、「自主性・積極性」「進取の精神」「柔軟な発想と深い考察力」「コミュニケーション力」「国際的な視野と多様性の受容」などの資質を高めるための学習の場を提供しています。
このような教育を通して、本校は人々の未来を明るいものとするために、果たすべき問題の解決に貢献できる創造力と実践力をもったWell-beingな技術者を育ててまいります。また、地域の産業、文化さらには生活を支えていく地域に根差した高専として、さらに親しみを持っていただける学校にしてまいります。
皆様のご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。