校長あいさつ
greeting
校長：上田 悦子-
～Well-beingのために何をすべきか、自ら考え実行する～
鹿児島工業高等専門学校は、昭和38年の創立以来15歳の中学卒業生を受け入れる5年一貫教育を基本としながら、時代の変化と社会の期待に応え、大学編入、専攻科の設置などの組織制度を整備することで、多様なキャリアパスをもつ高等教育機関へと発展してきました。そして卒業生の社会における素晴らしい活躍から、本校に対する期待はその歴史を重ねるごとに高まっています。
現在我々は、自然災害、少子高齢化、貧困を含む様々な社会的格差、領土をめぐる国同士の争いなど、数多くの課題に直面しています。これらの課題に対して、どこかの誰かがなんとかしてくれるだろうと思わず一人一人が向き合い、自分ができることを考え行動することが求められています。さらに近年のデジタル技術の急速な発展に伴って、科学技術の変化だけでなく、学校教育のあり方や人間関係の構築方法も大きく変化してきています。社会はますます多様化し、様々な背景を持つ人々によって成り立っています。自分自身が大切な存在であることを認識した上で、それぞれの多様性を尊重して受け入れ、理解し協力することも重要になっています。このような時代の変化にしなやかに対応し、新たな価値の創造を実現する教育が我々に問われているのです。
本校ではこれらに対して、Well-being志向教育の取り組みを実践しています。Well-beingとは身体的・精神的・社会的に満たされた良い状態のことを言います。本校での日々が学生自身のWell-beingにつながり、本校のWell-beingな学生が社会全体のWell-being形成の担い手となることを目指しています。これを実現するには、学内での閉じた教育だけでは不十分であるため、学生が地域とつながる機会の提供や、国内外のプロジェクト・コンテストへのチャレンジ、各種国際交流事業への参加など学外での活動を推進しています。学校からそして鹿児島から外に向かい、自らの意志で多くの人とつながる経験の積み重ねは、学生個々の自己肯定感や自己達成感を高める力を向上させると信じています。
このような教育を通して、本校は人々の未来を明るいものとするために、果たすべき問題の解決に貢献できる創造力と実践力をもったWell-beingな技術者を育ててまいります。創立から63年目を迎えた本校は、地域活性化のための人材育成の要望に応えるとともに、今後加速する科学技術の発展と産業構造の大きな変化の波にも素早く対応できるよう、新しい学びの場へと変わろうとしています。未来へ向かって新たな一歩を踏み出そうとしている鹿児島高専にご期待ください。
これからも引き続き皆様のご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。