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校長:氷室 昭三

 

 

 鹿児島工業高等専門学校は、昭和38年の創立以来15歳の中学卒業生を受け入れる5年一貫教育を基本としながら、時代の変化と社会の期待に応え、大学編入、専攻科の設置などの組織制度を整備することで、多様なキャリアパスをもつ高等教育機関へと発展してきました。

 高専ができた20世紀は「科学技術の世紀」と呼ばれ、科学技術の多くの分野で目覚ましい革新が生み出されました。しかし、21世紀に入って、世界は大改革時代を迎えています。今後、技術革新が進めば進むほど人工知能(AI)やロボットが人間の仕事を奪うともいわれています。

 AIは問題を解決する技術です。AIの技術をさらに発展させれば、与 えられた目的に対して、それを実現する手段は賢くできるようになり ます。そこで重要になるのが、人間の役割です。「何が社会で大事なの か」「個人の幸せや社会全体の幸せはどのように考えればいいのか」「異 なる価値観のものをどうバランスさせればいいのか」などについても考えなければなりません。

 他方、地球環境の悪化は加速し、想定外の大規模な災害や感染症の猛威など、社会のあらゆる側面において、かつて経験したことのないスピードで大きな変化が進行しています。こういう時代の中で、変化への対応や価値の創造を実現することがわれわれに問われています。

 本校の教育の目的は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することです。 この目的の中にある「学芸」とは、「学術」と「その応用技術」を意味しています。また、「職業に必要な能力」とは、単に特定 分野の職業に必要な専門的、技術的能力のみならず、一般職業人として、また、社会人として必要な知的、道徳的能力も含まれています。

 したがって、本校では、科学技術の知識修得だけでなく、リベラルアーツ教育も重視し、「自主性・積極性」「進取の精神」「柔軟な 発想と深い考察力」「コミュニケーション力」「国際的な視野と多様性の受容」などの資質を高めるための学習の場を提供しています。 このような教育を通して、本校は人類の未来のために、果たすべき問題の解決に貢献する創造力と実践力をもった技術者を育てます。 皆様のご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。